混ぜると
値が下がる
切手や古銭は、分け方と保管状態で査定が変わります。まとめて袋に入れた時点で、下がる要素が増えます。
遺品整理や実家の片付けで出てくる、アルバム1冊分の切手。「どうせ二束三文」と思って捨てる前に、分類だけはしてください。
まず分ける
4つに分けるだけで査定が変わる
①未使用シート(切り離していない、糊の状態が良いもの)
②未使用のバラ
③使用済み(消印あり)
④その他(初日カバー、切手帳、外国切手、記念貨幣、古銭)
この4つを混ぜて出すと、査定は「まとめていくら」になりやすく、①の価値が埋もれます。分けるのに要る時間は1時間程度で、効果はそれ以上です。
そして触り方にも注意します。手の脂は状態を落とします。数が多い場合は、アルバムやストックブックに入っているものはそのまま出すのが安全です。
値がつきやすいもの
・未使用でシートのままのもの。とくに古い年代の記念切手
・糊が生きているもの(湿気で貼りついたものは評価が下がります)
・目打ち(周囲のギザギザ)が欠けていないもの
・変色・日焼け・シミがないもの
・まとまった枚数があるもの(同じ額面が大量にある場合、額面としての価値が計算されます)
逆に評価が下がりやすいのは、使用済み(消印あり)で一般的な種類、湿気でくっついた束、変色したアルバム収蔵品です。
ただし、使用済みでも価値が出るものはあります。珍しい消印、古い時代のもの、海外の希少なもの。判断が難しいため、自分で捨てる前に見てもらうのが確実です。
額面割れが起きる理由
切手の買取価格は、額面より低くなることがあります。これは珍しいことではありません。
理由は、買い取った側が換金する際にコストがかかるためです。額面での使用や交換には手数料や制約があり、その分が差し引かれます。
だから、「額面の何割か」で提示されるのが通常です。逆に、希少性のある切手は額面と関係なく評価されます。額面の合計だけを見て判断しないのがポイントです。
買取率が何%なら、売ったほうが得か
「額面の何割か」で提示されると、高いのか安いのか判断できません。基準になる数字があります。郵便局の交換手数料です。未使用の切手は、手数料を払えば郵便局で他の郵便商品に交換できます。つまり「交換」は、誰でも確実に選べる選択肢です。これと比べれば、買取が得かどうかが出ます。
交換手数料から逆算した、買取が有利になる買取率(当サイト計算)
| 交換する枚数 | 1枚あたりの手数料 | 84円切手なら額面の | 買取がこれ以上なら売ったほうが得 |
|---|---|---|---|
| 99枚まで | 6円 | 7.1% | 92.9% |
| 100枚以上 | 13円 | 15.5% | 84.5% |
| (参考)往復はがき 99枚まで | 12円 | — | — |
| (参考)往復はがき 100枚以上 | 26円 | — | — |
出典:日本郵便「国内の料金表(手数料)」。郵便切手・通常はがきの交換手数料は99枚までが1枚6円、100枚以上が1枚13円です。額面に対する割合と分岐点は当サイトの計算です。10円未満の切手やはがきは合計額の半額(100枚以上は13円)という定めがあります。交換で手に入るのは郵便商品であって現金ではありません。2026年9月19日に確認しました。
84円切手を100枚持っているなら、交換手数料は1枚13円。額面の15.5%です。だから買取が額面の84.5%以上なら、売ったほうが手元に残るものが多くなります。99枚までなら手数料は1枚6円なので、分岐点は92.9%です。
枚数が100枚を超えた瞬間に、手数料が6円から13円に上がります。99枚と100枚で倍以上違います。大量に持っているなら、100枚未満に分けて別々の日に交換するという手もあります。
ただし、ここは冷静に見てください。交換して手に入るのは「新しい切手」であって、現金ではありません。使う予定がないなら、額面の8割で売って現金にするほうが、使い道は広いことになります。
使う予定があるなら、いくら足りないか
「使えばいいじゃないか」と思うかもしれません。2024年10月1日に郵便料金が上がったので、古い額面の切手だけでは足りなくなっています。
2024年10月1日の料金改定で、古い切手だけでは足りなくなった分
| 出すもの | 改定前の料金 | 現在の料金 | 足りない額 |
|---|---|---|---|
| 定形郵便物(25g以内) | 84円 | 110円 | 26円 |
| 通常はがき | 63円 | 85円 | 22円 |
| (参考)定形外・規格内 50g以内 | — | 140円 | — |
| (参考)定形外・規格内 100g以内 | — | 180円 | — |
出典:日本郵便「国内の料金表(手紙・はがき)」および2024年6月13日の料金改定のお知らせ。料金改定は2024年10月1日からです。足りない額は当サイトの計算です。2026年9月19日に確認しました。
84円切手で定形郵便を出すには、26円を足す必要があります。1通ならいいのですが、100通なら2,600円分の切手を別に買うことになります。しかも26円の切手はないので、1円・2円・10円などを組み合わせて貼ることになります。この手間を考えると、交換手数料1,300円(100枚)のほうが安くつくこともあります。
なお、未使用の切手は郵便局で他の郵便商品に交換できる制度があります。使う予定があるなら、そちらのほうが有利な場合もあります。
分けた状態で、無料査定に出す
切手は種類と状態で評価が変わります。まとめて処分する前に、査定で内容を確認できます。
- 査定は無料
- 査定額は品物の状態・種類・相場により異なります
- 査定は無料。金額を聞いてから、売らずに持ち帰れます
古銭・記念硬貨で値が変わる点
古銭・記念硬貨も、切手と同じく状態と希少性で決まります。
・磨かないでください。汚れを落とそうとして磨くと、価値が大きく下がります
・記念貨幣は、ケース・証明書があると評価が上がります。箱と紙は捨てない
・穴あき銭、大型の銀貨、旧紙幣は、種類によって差が大きい
・現行の硬貨・紙幣は原則として額面ですが、エラー品や特定の年号は例外があります
外国の古い紙幣・硬貨は、現在は換金できないものも多く、価値の判断が分かれます。ここも自己判断で捨てないほうが無難です。
査定の受け方
①分けてから出す。前述の4分類。
②数量をおおまかに把握する。アルバム何冊、シート何枚。出張査定の可否は量で変わります。
③まとめて出す。切手だけ、古銭だけ、と分けて別の日に出すより、一度にまとめたほうが全体の評価が上がることがあります。
④その場で決めなくてよい。金額に納得できなければ断れます。「今日だけ」と急がされる場合は、いったん止める。
⑤本人確認書類を用意する。古物営業法により、買取時に本人確認が必要です。
切手を、値のつきやすさで分ける
| 状態・形 | 値のつきやすさ | 理由 | 扱いの注意 |
|---|---|---|---|
| 未使用のシート | 高い | 額面としても使え、コレクション価値も残る | 折り目・シミが致命的 |
| 未使用のバラ | 中 | 額面での流通が中心になりやすい | 枚数がまとまると評価が変わる |
| 使用済み(消印あり) | 低い〜条件次第 | 消印の種類や希少性で例外はある | 台紙から無理にはがさない |
| 中国切手・戦前の記念切手 | 条件次第で高い | 需要が特定分野に集中している | 素人判断で分けない |
シートのまま・未使用・折れていないが基本の3条件です。この3つが揃っているものは、まとめずに分けて出したほうが評価されやすくなります。
査定に出すまでの手順
- ① 未使用と使用済みに分けるここだけは自分でできます。混ぜたまま出すと、まとめ評価になりやすくなります。
- ② シートとバラに分けるシートは切り離さないでください。切り離すとバラの評価に下がります。
- ③ 額面を合計する未使用切手は額面という下限があります。合計を知っておくと、提示額の妥当性が判断できます。
- ④ 状態の悪いものも捨てない判断は査定に任せます。素人判断で処分すると、価値のあるものを失うことがあります。
- ⑤ 複数社に見てもらう1社だけでは相場が分かりません。同じ品で提示額が変わることは珍しくありません。
査定を受ける前に確認すること
- 古物商許可を持つ業者か(許可番号の掲示があるか)
- 出張・宅配・店頭のどれに対応しているか
- 査定料・キャンセル料・返送料の有無
- その場で決めなくてよいか(持ち帰って検討できるか)
- 身分証明書の準備(古物営業法により本人確認が必要)
- まとめて一括の提示か、品目ごとの内訳が出るか
状況別の判断
量と種類によって、出し方が変わります。
親の遺品でまとめて出てきた
量が多い場合、自分で分類しきる前に相談したほうが早いことがあります。ただし未使用と使用済みの区別だけはしておくと、話が具体的になります。
相続に関わる場合は、他の財産との兼ね合いも出てきます。
中国切手や古い記念切手が混ざっている
この分野は需要が特定の層に集中しており、一般的な相場と離れることがあります。まとめて額面評価にされないよう、分けて申告してください。
扱いに慣れた業者かどうかで結果が変わりやすい領域です。
量が少ない(数千円程度の額面)
出張査定を呼ぶと双方の手間に見合わないことがあります。宅配査定か、店頭に持ち込む方法が現実的です。
額面で使う(郵便料金に充てる)という選択肢もあります。
シミや変色があるものが多い
状態が悪くても、額面としての価値は残ります。捨てる前に査定を受けてください。
ただし、無理にきれいにしようとすると状態を悪化させます。そのまま出してください。
よくある失敗
シートを切り離してバラにした
シートのまま保たれていることが評価の条件になります。切り離すと戻せません。
台紙から使用済み切手をはがした
水につけたり無理にはがしたりすると破れます。台紙ごと出すほうが安全です。
1社の提示額だけで決めた
同じ品でも業者によって提示額は変わります。比べる余地を残してください。
汚れを落とそうとして拭いた
紙は水や摩擦に弱く、手を加えるほど評価が下がります。そのままが原則です。
よくある疑問
使用済みの切手でも売れますか。
一般的には未使用より評価は下がりますが、消印の種類や発行時期によっては需要があります。
判断が難しい領域なので、捨てる前に査定を受けてください。台紙からはがさず、そのまま出すのが基本です。
額面より安くなることはありますか。
あります。未使用切手を現金化する場合、業者側にも換金の手間とコストがかかるため、額面を下回る提示になることがあります。
額面そのままで使いたいなら、郵便料金に充てるという方法もあります。
シートは切り離してもよいですか。
切り離さないでください。シートのまま揃っていることが評価の条件になります。一度切ると戻せません。
査定に何が必要ですか。
古物営業法により本人確認が必要なため、身分証明書を用意してください。
あわせて、査定料やキャンセル料の有無を事前に確認しておくと想定違いを防げます。
出張査定と宅配査定、どちらがよいですか。
量が多い、重い、持ち出しにくいなら出張。量が少なく、自分のペースで進めたいなら宅配が向きます。
出張の場合、その場で決めなくてよいかを先に確認しておくと落ち着いて判断できます。
業者はどう選べばよいですか。
古物商許可を持っているかが最低条件です。許可番号を掲示しているかを確認してください。
そのうえで、切手を専門的に扱っているかどうかで結果が変わります。トラブルの相談先としては国民生活センターがあります。
価値があるかどうか、自分で調べられますか。
額面の合計は自分で出せます。それ以外の希少性の判断は、専門的な知識が必要です。
額面の合計を知っておくだけでも、提示額の妥当性を判断する材料になります。
判断の流れ(まとめ)
順序は「未使用と使用済みを分ける」→「シートとバラを分ける」→「額面を合計する」→「捨てずに全部出す」→「複数社に見てもらう」です。自分でできるのは分類と額面の合計まで。ここまでやっておくと、提示額が妥当かを自分で判断できます。シートは切り離さない、台紙からはがさない、汚れを落とさない。この3つを守れば、価値を下げずに済みます。
同じ切手でも、評価が変わる要因
| 要因 | 評価が上がる方向 | 評価が下がる方向 |
|---|---|---|
| 形 | シート・ブロックのまま | 切り離してバラになっている |
| 状態 | 折れ・シミ・変色がない | 四隅の折れ、日焼け、糊面の劣化 |
| 糊 | 未使用で糊が残っている | 水に濡れて糊が落ちている |
| まとまり | 同種がまとまっている | 1枚ずつバラバラ |
| 付属 | 台紙・アルバム・説明書がある | 裸のまま |
自分で手を加えて改善できる項目は、この表の中にひとつもありません。現状のまま持ち込むのが最善という結論になります。
持ち込む前にそろえるもの
- 身分証明書(古物営業法により本人確認が必要)
- 未使用と使用済みを分けた状態
- 額面の合計メモ
- アルバムや台紙に入っているものは、そのまま
- 中国切手や戦前の記念切手は、分けて申告できるように
切手・古銭の買取ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。