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目視は令和4年4月、検知器は令和5年12月から

アルコールチェックの義務は2段階で施行されました。いずれもすでに施行済みです。「検知器はまだ先」という認識のまま止まっている会社があるので、まず日付を確認してください。

このページの内容
  1. 2段階の義務化
  2. 罰則はどこにかかるのか
  3. 誰が確認するのか
  4. 数値の基準はあるのか
  5. いつ確認するのか
  6. 対面できないときは
  7. 検知器の常時有効保持
  8. 記録は1年保存
  9. 現場で詰まるところ
  10. よくある失敗
  11. よくある疑問

2段階の義務化

警察庁は、安全運転管理者の業務の拡充について次のように公表しています。

酒気帯び確認の義務化(警察庁)

内容施行日
目視等による確認の義務化令和4年4月1日から施行
アルコール検知器を用いた確認の義務化令和5年12月1日より施行
確認内容の記録1年間保存すること
アルコール検知器常時有効に保持すること

出典:警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」。いずれもすでに施行されています。

目視だけでは足りません。令和5年12月1日以降は、検知器を用いた確認が義務です。

罰則はどこにかかるのか

「義務です」とは書いてあっても、何に罰則がつくのかを書いている資料は多くありません。調べると、罰則がかかるのは「チェックをサボったこと」ではありませんでした。

何をしなかったときに、何がかかるのか(2026年9月20日確認)

何をしなかったか根拠罰則
安全運転管理者を選任しなかった道路交通法74条の3第1項の選任義務違反50万円以下の罰金(令和4年10月1日から。それまでは5万円以下)
選任・解任を15日以内に届け出なかった道路交通法120条2項3号(74条の3第5項違反)5万円以下の罰金
アルコールチェックそのものを行わなかった74条の3第2項の業務この条文に直接の罰金は置かれていません。ただし下の経路があります

出典:道路交通法74条の3・120条(e-Gov法令検索)、警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」。警察庁は「安全運転管理者の選任義務違反に対する罰則が、5万円以下の罰金であったものが、50万円以下の罰金に引き上げられました」(令和4年10月1日から施行)と公表しています。

ここが、この制度のいちばん分かりにくいところです。 チェックを飛ばしても、その日に罰金が来るわけではありません。 ところが、条文には次の経路が用意されています。

公安委員会は、……安全運転管理者が第二項の規定を遵守していないため自動車の安全な運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、当該安全運転管理者等の解任を命ずることができる

道路交通法74条の3第6項です。業務を守っていないと判断されると、解任を命じられます。 解任されれば、選任していない状態になります。そして選任義務違反は50万円以下の罰金です。

つまり「チェックをやらない」は、直接ではなく解任命令を経由して50万円以下につながる形になっています。 「罰則がないから大丈夫」と読むのは、条文の読み方として間違いです。

そしてもう1つ。選任が必要になる台数は、乗車定員11人以上の自動車が1台以上、その他の自動車が5台以上です(警察庁の公表内容)。 「うちは営業車が5台ある」なら、もう対象です。

誰が確認するのか

確認は安全運転管理者の業務です。ただし、実務では次のような状況が起きます。

現場で起きること

管理者が不在のとき

早朝出発や夜間帰着では、管理者が事業所にいないことがあります。誰がどう確認するかを、あらかじめ決めておく必要があります。運用の可否は管轄の警察署にご確認ください。

直行直帰のとき

事業所に寄らない日があります。遠隔での確認をどう行うかを決めておきます。

運転者が複数いるとき

確認の順番と記録の付け方を決めないと、記録が抜けます。

検知器が故障したとき

「常時有効に保持」が義務です。予備を持つか、すぐ交換できる体制が必要です。

これらは制度の穴ではなく、各社が運用で決めるべきところです。決めていないと、記録が飛びます。

数値の基準はあるのか

「何mgを超えたらアウトか」を探している人が多いのですが、安全運転管理者が使う検知器に、数値の基準は定められていません。警察庁のQ&Aは次のように示しています。

呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器であれば足りる

警察庁「安全運転管理者による酒気帯び確認に関するQ&A」

つまり確認するのは「酒気帯びの有無」であって、特定の数値を超えたかどうかではありません。数値が出る機器を使うのは構いませんが、「基準値未満だから運転させてよい」という制度ではないということです。

酒気を帯びていると判断されるなら、運転させてはいけません。安全運転管理者の業務には「必要な指示」も含まれます。数値を見て迷うより、運転させない判断ができる体制のほうが大事です。

いつ確認するのか

「1日に何度も乗るたびに測るのか」も、よく詰まるところです。警察庁のQ&Aは次のように示しています。

酒気帯び確認は、必ずしも個々の運転の直前又は直後にその都度行わなければならないものではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時及び終了後や退勤時に行うことで足ります

警察庁「安全運転管理者による酒気帯び確認に関するQ&A」

1日に何度も外回りする営業でも、業務の開始前と終了後で足りるということです。ここを誤解して「乗るたびに測る」運用にすると、現場が回らず、結果的に記録が飛びます。

対面できないときはどうするか

直行直帰や、管理者が不在の時間帯の扱いです。警察庁のQ&Aは、対面によらない確認の方法として次を挙げています。

対面によらない確認の方法(警察庁のQ&Aが挙げる例)

要点は「検知器の結果」だけでなく「顔色や応答の調子」もあわせて確認することです。数値の写真を送らせるだけでは、この形になりません。

したがって運用を決めるときは、誰が・どの手段で・何を見るかまで決めてください。個別の可否は管轄の警察署にご確認ください。

検知器の常時有効保持

警察庁は「アルコール検知器を常時有効に保持すること」を義務として挙げています。買って置いてあれば良いという意味ではありません。

常時有効に保つために決めておくこと

「常時有効に保持」の意味について、警察庁のQ&Aは次のように示しています。

アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用

警察庁「安全運転管理者による酒気帯び確認に関するQ&A」

つまり取扱説明書に沿った管理と、定期的な故障確認がセットです。センサーの寿命や校正の要否は製品ごとに異なるため、本サイトでは製品ごとの仕様は扱いません。取扱説明書とメーカーの案内をご確認ください。

本サイトは警察庁・警視庁の公表内容を整理したものです。選任の要否や届出の様式は、自動車の使用の本拠を管轄する都道府県警察によって運用が異なることがあります。必ず管轄の警察署(交通課)にご確認ください。

記録は1年保存

確認内容の記録は1年間保存とされています。何を記録するかは記録のページで整理しました。

実務上の注意は「1年前の記録をすぐ出せるか」です。紙のバインダーが事業所ごとに散らばっていると、いざというとき出てきません。

給油の記録を事業所単位でまとめる

アルコールチェックの記録とは別ですが、車両まわりの記録が事業所単位でまとまると管理が楽になります。条件は公式サイトでご確認ください。

掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

現場で詰まるところ

運用を決めるときの順番

  1. ① 誰が確認するかを決める管理者と、不在時の代替を明確にします。
  2. ② いつ確認するかを決める運転前と運転後です。直行直帰の日の扱いも決めます。
  3. ③ どう記録するかを決める紙かデータか。1年後に取り出せる形にします。
  4. ④ 検知器を何台置くかを決める拠点数と同時に出発する人数から考えます。予備も含めます。
  5. ⑤ 故障時の手順を決める常時有効に保持する義務があります。
  6. ⑥ 運転者に周知する決めても伝わっていなければ記録は抜けます。

よくある失敗

目視だけで済ませている

令和5年12月1日から検知器を用いた確認が義務です。

管理者不在時の運用を決めていない

早朝・夜間・直行直帰で記録が抜けます。

検知器を1台だけ置く

同時に出発する人数と拠点数を考えていないと回りません。故障時も止まります。

センサーの寿命を把握していない

「常時有効に保持」の義務があります。

記録を事業所ごとにバラバラに保管する

1年分をすぐ出せる形にしておく必要があります。

よくある疑問

白ナンバーでも検知器が必要ですか。

安全運転管理者の選任が必要な事業所であれば、事業用・自家用の別にかかわらず、検知器を用いた確認が義務です(令和5年12月1日施行)。

どんな検知器を使えばよいですか。

本サイトでは製品を特定しません。「常時有効に保持」できることが要件ですので、センサー寿命・校正・保守のしやすさで選んでください。

直行直帰の日はどうすればよいですか。

遠隔での確認方法を含め、運用は各社で定める必要があります。可否は管轄の警察署(交通課)にご確認ください。

運転後も確認が必要ですか。

酒気帯びの有無の確認は運転前後に行うものとされています。詳細は管轄の警察署にご確認ください。

記録はデータでもよいですか。

保存できる形であれば紙・データを問いません。1年間保存し、求められたときに提示できることが要点です。

違反した場合はどうなりますか。

道路交通法上の義務であり、安全運転管理者の業務違反として扱われます。具体的な内容は管轄の警察署にご確認ください。

社用車の管理義務ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド