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台数より、明細の本数が事務を重くする

社用車が増えて大変になるのは、車が増えるからではありません。領収書と立替精算が人数分・回数分だけ増えるからです。ここは仕組みで減らせます。

このページの内容
  1. なぜ重くなるのか
  2. 給油
  3. 高速道路
  4. 車両の調達
  5. マイカーを業務で使う場合
  6. 管理義務との関係
  7. よくある疑問

なぜ重くなるのか

台数が5台を超えたあたりから、次の3つが同時に起きます。

台数が増えると起きること

何が増えるか何が起きるかどう減らすか
立替精算運転者が現金で払い、あとから精算する。件数が人数×回数で増える会社名義のカードで支払いを一本化する
領収書の突合誰がいつどの車で使ったかを、紙で照合する明細が事業所・車両単位で出る形にする
管理義務の記録酒気帯び確認・運転日誌が台数分増える出発前の手順に組み込む

1つ目と2つ目は仕組みで減らせます。3つ目は義務なので減らせませんが、手順に組み込めば抜けません。

給油

給油を運転者の立替にしていると、精算の件数がそのまま事務量になります。会社名義の燃料カードにすると、支払いと明細が一本化されます。

燃料カードを検討するときに見るところ

明細の出方がいちばん効きます。車両単位で出るなら、運転日誌との突合が楽になります。金額の割引より、ここを先に見てください。

法人向けの燃料カードの条件を見る

給油できる系列・明細の出方・手数料は各社で異なります。公式サイトでご確認ください。

掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

高速道路

高速代も同じ構造です。運転者が個人のETCカードで払うと、精算と証憑の管理が発生します。法人のETCカードにすると、利用明細が会社側に一本化されます。

法人ETCカードには複数の発行方式があり、審査の条件や発行までの期間が違います。設立直後だと通りにくい方式もあります。

法人ETCカードの申込条件を見る

発行方式によって審査条件と期間が異なります。公式サイトでご確認ください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

車両の調達

買うか、リースにするかは、資金の話だけでなく管理の話でもあります。

中古で買うと、償却の年数が縮みます

新車を買うと、法定耐用年数のあいだ分けて経費にします。中古なら、その年数を短くできます。国税庁が「簡便法」として計算方法を示しています。

法定耐用年数の一部が過ぎた中古なら「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」。全部過ぎていれば「法定耐用年数×20%」。1年未満は切り捨てて、2年に満たなければ2年です。

中古車を買うと、耐用年数は何年になるか(簡便法・当サイト計算)

何年落ちか法定耐用年数が6年の場合法定耐用年数が4年の場合(小型車)
1年落ち5年3年
2年落ち4年2年
3年落ち3年2年
4年落ち2年(定率法の償却率1.000=1年で全額)2年
5年落ち以上2年2年

計算式:(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%。全部経過していれば法定耐用年数×20%。1年未満は切り捨て、2年未満は2年とします(国税庁タックスアンサー No.5404)。耐用年数2年の定率法の償却率は1.000(減価償却資産の償却率等表)。法定耐用年数は車種で決まり、総排気量0.66リットル以下の小型車は4年です。それ以外の一般用の自動車はここでは6年として計算しています。自分の車種の年数は国税庁の耐用年数表で確認してください。2026年9月18日に確認しました。

4年落ちで耐用年数が2年になると、定率法の償却率は1.000。つまり1年で全額が経費になります。「4年落ちの中古車」がよく話題になるのは、この1行のためです。

ただし、ここに落とし穴があります。償却は月割です。期首に買えば12か月分、決算月に買えば1か月分しか経費になりません。

400万円の4年落ち中古車を、決算期のいつ買うか(耐用年数2年・当サイト計算)

買う時期その期に経費にできる額残り
期首(12か月使う)4,000,000円0円
期の途中(7か月使う)2,333,333円1,666,667円は翌期
決算月(1か月だけ使う)333,333円3,666,667円は翌期

計算式:取得価額×その期に使った月数÷12。償却は月割です。経費にできる額がいくらでも、車両代金はその月に全額出ていきます。当サイトの計算です。

決算対策で決算月に400万円の車を買っても、その期に経費にできるのは333,333円です。残りは翌期に回ります。そして400万円は、その月に手元から出ていきます。

経費にできる額と、手元から消える額は別です。利益が出ていない期に車を買っても、経費が増えるだけで、お金は戻ってきません。買うかどうかは、事務と稼働の話で決めてください。税は結果です。

調達方法で変わること

購入

資産として計上し、耐用年数で償却します。車検・整備・税金の手配は自社です。台数が増えると、この事務が積み上がります。

リース

月額の費用として処理できる形態があります。車検・整備・税金が含まれる契約もあり、事務が減ります。契約内容によって扱いが変わるので、税理士に確認してください。

レンタル・カーシェア

使う頻度が低いなら、持たない選択もあります。ただし台数に数えるかどうかは使用の実態によります。

従業員のマイカー

手当を出して業務利用する形です。保険と、安全運転管理者制度上の扱いを必ず確認してください。

台数が増えるほど、「車そのものの費用」より「手配と管理の人件費」が効いてきます。ここを含めて比べてください。

カーリースの月額と契約条件を見る

含まれる範囲(車検・整備・税金)は契約により異なります。税務上の扱いは顧問税理士にご確認ください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

マイカーを業務で使う場合

社用車を増やす代わりに、従業員の自家用車を業務で使う——という選択があります。ここは費用より先に、確認すべきことが3つあります。

通勤手当は、距離で非課税の枠が決まっています

マイカー通勤に手当を出すとき、いくらまでなら税がかからないかは、片道の距離で決まっています。国税庁が距離別に額を定めています。ここを超えた分は給与として課税されるので、渡す側も受け取る側も手取りが変わります。

マイカー通勤の手当、いくらまで非課税か(片道の距離別)

片道の通勤距離1か月の非課税限度額1年では
2km未満全額が課税—
2km以上10km未満4,200円50,400円
10km以上15km未満7,300円87,600円
15km以上25km未満13,500円162,000円
25km以上35km未満19,700円236,400円
35km以上45km未満25,900円310,800円
45km以上55km未満32,300円387,600円
55km以上65km未満38,700円464,400円
95km以上66,400円796,800円

出典:国税庁タックスアンサー No.2585「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」。電車・バス通勤の場合は1か月15万円が限度です(No.2582)。年額は当サイトの計算です。限度額を超えて支給した分は給与として課税されます。2026年9月18日に確認しました。

片道25キロで月19,700円、年にすると236,400円までが非課税です。片道2キロ未満は、いくら払っても全額が課税対象になります。規程を作るときは、この区切りに合わせて距離の階段を切ってください。「一律10,000円」のような決め方だと、片道2キロの人には全額課税、片道30キロの人には枠を9,700円余らせることになります。

マイカー業務利用で確認すること

任意保険の内容

個人の任意保険は、業務使用が補償の対象外になっていることがあります。契約の「使用目的」を必ず確認してください。事故が起きてから気づくのが最悪です。

安全運転管理者制度上の扱い

台数に数えるかどうかは使用の実態によります。管轄の警察署(交通課)にご確認ください。本サイトでは断定しません。

費用の精算方法

ガソリン代・走行距離・駐車場代をどう精算するか。規程がないと、その都度もめます。

使用者としての責任

業務中の事故について、会社が責任を問われることがあります。労務・法務の判断は専門家にご相談ください。

「社用車を持たなければ管理義務も生じない」とは限りません。使用の実態で判断されるため、確認が必要です。

管理義務との関係

コストの管理と、安全運転管理者の義務は別の話です。ただし接点があります。

燃料カードやETCの明細が車両単位・事業所単位で出ていると、運転日誌との突合が容易になります。逆に、明細が個人単位でしか出ないと、どの車の記録なのかを人手で紐付けることになります。

仕組みを選ぶときに「あとで突合するか」を一度考えておくと、後の事務が減ります。義務そのものは安全運転管理者のページと記録のページをご覧ください。

よくある疑問

燃料カードは何枚作ればよいですか。

車両ごとに作る方式と、運転者ごとに作る方式があります。明細をどの単位で見たいかで決めてください。枚数によって手数料が変わることがあります。

法人ETCカードは設立直後でも作れますか。

発行方式によって審査の条件が異なります。実績が浅い場合に選べる方式があるかは、各社の公式サイトでご確認ください。

リースなら安全運転管理者は不要ですか。

調達方法と選任義務は別の話です。使用者として使っている台数で判断されます。管轄の警察署にご確認ください。

私的利用をどう防げばよいですか。

運転日誌と、明細の突合が基本です。就業規則や社内規程での定めもあわせて検討してください。個別の労務の判断は専門家にご相談ください。

経費の処理はどうなりますか。

調達方法と契約内容によって変わります。顧問税理士にご確認ください。本サイトは税務の判断を行うものではありません。

社用車の管理義務ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド