全員ではない。300人以上の特定用途だけ
甲種防火管理講習を受けた人が全員、再講習を受けるわけではありません。東京消防庁は対象を「甲種防火管理新規講習修了者で、収容人員が300名以上の特定用途の甲種防火対象物で防火管理者として選任されている方に限ります」としています。事務所だけのビルの防火管理者は、原則として対象外です。
本サイトは一般的な整理です。実際に必要な届出・設備・寸法は、建物の用途・規模・構造によって変わります。着工前に必ず所轄の消防署と、建物の設計を担当した建築士(または内装業者)にご確認ください。
対象になる人
3つの条件をすべて満たす人(東京消防庁)
- 甲種防火管理新規講習を修了している
- 収容人員が300名以上
- 特定用途の甲種防火対象物である
- そこで防火管理者として選任されている
さいたま市も同じく「収容人員が300人以上の特定防火対象物の甲種防火管理者」としています。
「特定用途」は飲食店・物販店・ホテル・病院などです。事務所は非特定用途です。事務所だけの建物なら、収容人員が300人を超えていても①の特定用途の条件を満たしません。
期限は2通りある
東京消防庁が公表している2つの期限
| 場合 | 期限 |
|---|---|
| 防火管理者に選任された日の4年前までに、甲種防火管理新規講習または甲種防火管理再講習を修了した | 選任された日から1年以内に受講 |
| 上記以外 | 甲種防火管理新規講習または甲種防火管理再講習を修了した日以後における最初の4月1日から5年以内に受講 |
出典:東京消防庁の公表内容(2026年9月12日確認)。さいたま市も「新規の甲種防火管理講習又は再講習を受講した日を基準として、翌年度の4月1日から5年以内」としています。
起点が「修了した日」ではなく「修了した日以後の最初の4月1日」である点が読み違えやすいところです。3月に修了した人と4月に修了した人では、期限がほぼ1年ずれます。
もうひとつの型(選任日から1年以内)は、「昔に講習を受けて、今になって選任された人」を拾う規定です。4年より前の修了なら、選任された時点から1年しか猶予がありません。
防災管理再講習との関係
東京消防庁は「防災管理再講習を受講すると、甲種防火管理再講習修了証及び防災管理再講習の修了証が交付されます」としています。
両方の対象になっている人は、防災管理再講習を受けるほうが1回で済みます。先に甲種防火管理再講習だけ受けると、あとで防災管理再講習も受けることになります。
入退去や増床のタイミングで、什器と配置をまとめて見直す
ここから先は法令の話ではなく、事業者のサービスです。価格・納期は各社公式サイトの公表値をご確認ください。
- 型番・価格・納期が、その場で分かります
- 寸法を入れると、置ける物だけが残ります
- 工事を伴う場合は所轄消防署への届出が必要になることがあります
よくある取りこぼし
甲種を受けた全員が再講習の対象だと思った
「収容人員300名以上の特定用途の甲種防火対象物で防火管理者として選任されている方に限ります」(東京消防庁)。
事務所ビルなので300人を超えたら対象だと思った
特定用途であることも条件です。事務所は非特定用途です。
修了した日から5年だと思った
「修了した日以後における最初の4月1日から5年以内」です。起点が違います。
昔の講習修了証があるので大丈夫だと思った
選任された日の4年前までの修了なら、選任日から1年以内に受講します。
甲種防火管理再講習と防災管理再講習を別々に受けた
防災管理再講習を受けると甲種防火管理再講習修了証も交付されます。
確認に使った一次情報
- 東京消防庁「防火対象物定期点検報告制度の概要(消防法第8条の2の2)」東京消防庁
- 日本消防設備安全センター「防火対象物定期点検報告(消防法第8条の2の2)」日本消防設備安全センター
- 大阪市「防火・防災管理制度について」大阪市
- 東京消防庁「防火・防災管理講習 よくある質問コーナー」東京消防庁
- さいたま市「甲種防火管理再講習制度について」さいたま市
- 東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」東京消防庁
いずれも2026年9月12日に確認した公表内容です。用途・規模・構造により扱いが変わります。所轄の消防署にご確認ください。
よくある疑問
受けなかったらどうなりますか。
乙種にも再講習はありますか。
選任されていなければ受けなくてよいですか。
講習はどこで受けますか。
事務所のレイアウトと法令ガイドの記事一覧
- 4つの法律の地図
- 消防署への届出
- 間仕切りの選び方
- 防火管理者は要るか
- 照度・温度・トイレ
- 什器の耐用年数と経費
- 防災管理者
- 防火対象物点検
- 統括防火管理者
- 防炎物品
- 特定建築物の届出
- 自衛消防組織
- 消防計画
- 消防訓練
- 空気環境測定
- 飲料水と貯水槽の管理
- ねずみ等の防除
- 大掃除と排水設備の掃除
- 建築物環境衛生管理技術者
- 用途変更の確認申請
- 通路幅と収容人員
- 消防設備の点検と報告
- 内装制限と防火設備
- 事務所の喫煙室は何をすれば足りるか
- 簡易専用水道とは
- 簡易専用水道の管理基準
- 簡易専用水道の検査
- 貯水槽の清掃の頻度
- 事業系一般廃棄物の基本
- 一般廃棄物と産業廃棄物の違い
- 事業系ごみの保管
- 委託先の許可の確認
- 多量排出事業者の計画
- 分別と協力義務
- 騒音規制法の特定施設
- 特定施設の設置届
- 数・防止方法の変更届
- 氏名変更・廃止の届出
- 承継の届出
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。