用途ではなく高さで決まる型がある
防炎規制(消防法第8条の3)は、飲食店やホテルだけの話ではありません。東京消防庁は対象の筆頭に「地盤面から高さ31mを超える建築物」を挙げています。事務所だけのビルでも、高さが31mを超えていれば対象です。
本サイトは一般的な整理です。実際に必要な届出・設備・寸法は、建物の用途・規模・構造によって変わります。着工前に必ず所轄の消防署と、建物の設計を担当した建築士(または内装業者)にご確認ください。
対象になる建物
防炎防火対象物(東京消防庁の公表内容・2026年9月12日確認)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 高層建築物 | 地盤面から高さ31mを超える建築物 |
| 地下街 | 地下の工作物に設けられた店舗、事務所、その他これらに類する施設で、連続して地下道に設けられたもの |
| 特定用途 | 劇場・映画館・演芸場・観覧場/飲食店(待合・料理店など)/百貨店・マーケット等の物品販売店/旅館・ホテル・宿泊所/病院・診療所・老人ホーム・保育所など福祉施設/公衆浴場/映画スタジオ・テレビスタジオ |
出典:東京消防庁の公表内容。日本防炎協会も「高層建築物、地下街」を消防法指定として挙げています。
用途の一覧には事務所が入っていません。それでも高さ31mを超えれば、①の高層建築物として対象になります。
31mは、階高3.5mなら9階、4mなら8階あたりが目安です。ただし実際の高さは建物ごとに違うので、図面か管理会社で確認してください。
対象になる物品
防炎対象物品(日本防炎協会の公表内容)
- カーテン
- 布製ブラインド
- じゅうたん等
- 展示用合板
- 舞台において使用する幕及び大道具用の合板
- 暗幕・どん帳
- 工事用シート
オフィスで実際に関わるのは、カーテン・布製ブラインド・じゅうたん、それと内装工事のときの工事用シートです。
間仕切りやパーテーションそのものは、この一覧には入っていません。ただし内装材には別の規制(内装制限)がかかります。→ 事務所の内装制限と防火設備
事務所が引っかかる型
見落としやすい組み合わせ
高さ31mを超えるオフィスビルに入居した
同じビルの1階に飲食店がある
内装工事で足場に養生シートを張る
地下街に面した区画を借りた
持ち込む家具や什器を選ぶときに、後から買い直しにならないよう先に確認しておくのが早いです。
入居前に、什器とカーテンをまとめて揃える
ここから先は法令の話ではなく、事業者のサービスです。防炎品かどうかは各製品の表示をご確認ください。
- 型番・価格・納期が、その場で分かります
- 寸法を入れると、置ける物だけが残ります
- 工事を伴う場合は所轄消防署への届出が必要になることがあります
よくある取りこぼし
事務所だから関係ないと思った
高さ31mを超える建築物は、用途を問わず対象です。
階数で判断した
基準は「地盤面から高さ31mを超える」であって、階数ではありません。
カーテンだけ気にした
布製ブラインド、じゅうたん等、工事用シートも対象物品です。
内装制限と同じものだと思った
別の規制です。内装制限は壁や天井の仕上げにかかります。→ 事務所の内装制限と防火設備
持ち込む什器の表示を確認しなかった
防炎品には表示があります。買う前に確認してください。
確認に使った一次情報
2026年9月12日に確認した公表内容です。対象になるかどうかは建物の用途・高さで変わります。所轄の消防署にご確認ください。
よくある疑問
うちのビルは何メートルか分かりません。
31mちょうどの場合は対象ですか。
防炎品かどうかはどう見分けますか。
既に使っているカーテンはどうなりますか。
パーテーションは対象ですか。
事務所のレイアウトと法令ガイドの記事一覧
- 4つの法律の地図
- 消防署への届出
- 間仕切りの選び方
- 防火管理者は要るか
- 照度・温度・トイレ
- 什器の耐用年数と経費
- 防災管理者
- 防火対象物点検
- 甲種防火管理再講習
- 統括防火管理者
- 特定建築物の届出
- 自衛消防組織
- 消防計画
- 消防訓練
- 空気環境測定
- 飲料水と貯水槽の管理
- ねずみ等の防除
- 大掃除と排水設備の掃除
- 建築物環境衛生管理技術者
- 用途変更の確認申請
- 通路幅と収容人員
- 消防設備の点検と報告
- 内装制限と防火設備
- 事務所の喫煙室は何をすれば足りるか
- 簡易専用水道とは
- 簡易専用水道の管理基準
- 簡易専用水道の検査
- 貯水槽の清掃の頻度
- 事業系一般廃棄物の基本
- 一般廃棄物と産業廃棄物の違い
- 事業系ごみの保管
- 委託先の許可の確認
- 多量排出事業者の計画
- 分別と協力義務
- 騒音規制法の特定施設
- 特定施設の設置届
- 数・防止方法の変更届
- 氏名変更・廃止の届出
- 承継の届出
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。